Cyclocross への招待 (2)


その2では主に選手の外から見た競技特性や将来性という面から Cyclocross を考えてみましょう。

Cyclocross レースに来るお客さんが声を揃えて言うのが「見やすい」「応援しやすい」ということ。

これは主にロードレースと比較しての場合が多いようです(*1)。ということでロードレースを槍玉筆頭にあげさせていただきます。

ロードは周回コースと言っても1周は十数km単位(クリテリウム除く)。そのため選手が通り過ぎたと思ったら、次は20分後まで待ちぼうけ、ということも多々あり。ラインレースやヒルクライムなら1回通過したら終了。

また、よっぽどの勾配のある登りでなければスピードは30km/hを下らないことが多いです。広い平坦路だったりすると、集団がビュンッ!と通りすぎて、目当ての選手がどれだかわからない、なんてことも。

それと比べるとシクロクロスでは

  • 1周が大抵6分程度、長くても10分ぐらい。
  • 速度域はロードレースの半分程度
  • 集団になりずらく、選手がばらばらにやってくることが多い。
  • 集団でなくともレースになりうる。

という特徴があり、どれが誰かもわかりやすいし、応援もしやすい、声もかけやすい。かつ、選手が途切れなく走ってくるので飽きないというのも1つ。これらの特徴は MTB にも当てはまりますね(周回はもう少し長いかな?)。

次に主催者の側から考えてみると、ロードレースを開催するのはとっても大変。

ロードの場合は大変で、一般公道レースならば警察に許可は取らないといけませんし、道路をクローズするには地域住民の理解・周知も必要。箱根駅伝ぐらいの認知度があればいいのですが。

それに比べるとシクロクロスは

  • 最低で800m×500mぐらいのフィールドがあればレースは開催できる(*2)。
  • MTB ほど本格的な山なコースは必要ない。河原などの完全平坦でも OK。
  • よって比較的都市圏に近いエリアで開催されるレースも多い。(つまり遠征が楽。)
  • 例えば公園内で開催する場合、管理者である自治体なんかの許可さえもられれば OK という場合が多いらしい。
  • 小さな怪我は多いが致命的な重症・死亡事故などは起こりにくい。

ということで、見渡せる程度のエリア(ハンドリングしやすい)で1つのレースが収まってしまうのは非常にやりやすいし、比較的手間が少ない(警察対応は超面倒らしい)、という利点があります。

この「開催しやすい」というのは大きなポイント。いくら素晴らしいイベントだとしても、それが誰かの大きな負担になってしまうのならば、それは長くは続かないでしょう。

僕の印象としても国内のロードレースシーンではいわゆる「ロードレース」が減っており(というか長く続いているレースが少なく)、クリテリウムとヒルクライムばかりになっています(JBCF とか JBCF とか)。TT も増えているようだけど、クローズドなコースのものが多いかな。

個人的にはロードはロードレース!という思いがあるので、ちょっと寂しいですね…

対して Cyclocross はレースは増加傾向一本調子だし、2015-16シーズン現在で規模縮小しているオーガナイザは見当たらない。日本の事情にあっていて開催しやすい、という点は将来性という点では非常にプラスであるのは間違いないでしょう。

さて、今度は MTB と比較するとどうでしょうか。

筆者は MTB レース界は全くと言って関わりがありませんが、MTB 乗りからこのところよく聞くのが

「MTB は進化しすぎた。Cyclocross の方が難しくて楽しい」

MTB はサスペンションやタイヤの径の最適化・進化により、テクニックを発揮せずともバイクの性能だけで難しいセクションを走れるようになってしまった、ということだそうです。

対してシクロクロスバイクにはサスペンションついていないので(*3)、抜重をしたり、路面への荷重をライダー自身が細かく調整する必要があります。タイヤ幅などの規定もより厳しく限定されているので、自分のスキルとコース・路面に合った空気圧の設定をするという面白さも。

これらの点を考えると、機材よりも選手の力量がより求められる、もしくはそれによって差がでやすい競技であると言えそうです。「自分で走っている感が大きい」という表現も聞きます。

それからこれは僕の印象以上の話ではありませんが、2014年ぐらいに全国シリーズの MTB レースの主催が MTB 協会から JCF にいきなり切り替わるという自体が発生しました。これにより知り合いの選手らがクラス分けなどについて非常に混乱していたのをよく覚えています。なのでつまりいい印象が無い、という話。今は正常化してるのかもしれませんが…

さて、主に見る側・主催側からの視点で書いてきました。実際の選手から見ると走るとどうかについては、これからの記事で個別に細かく書いて行いくつもりです。

ざっくり思いつくところをならべると

  • 集団から遅れてもレース終了にはならない
  • レースが短時間なので練習も短時間でできる
  • 遠征が比較的近い
  • テクニックの差が大きく影響しやすい(練習しがいがある)
  • さまざまなタイプのコースがある
  • 本格的に競技者としてと思うと、自転車2台 + ホイール前後1セットは必要。ピットスタッフもどうにかしないといけない。タイヤもコースによって,,,
  • 落車擦り傷あたりまえ
  • 機材が汚れたり壊れたりする(ロードの大規模落車よりはるかにマシだけどね)
  • 悪天候レースだと洗濯が面倒

というところでしょうか。

自転車ピカピカに磨いて飾る人には無理かもしれないな(苦笑)。

*1: ロードレースも好きですよ。でも個人的には観るのはテレビの方がいいかなと思います。

*2: 個人的にはこれくらいの広さがあれば最低限のレースはできるかな?と思います。もちろん、実際はもう少し欲しいですが。駐車場も必要だし。

*3: 10年ほど前にはサスの付いたシクロクロスもあったようですが、今は見ることはありません。流行り、だったようです。

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