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AJOCC な大会数の推移

大会が多すぎてどのレースに出るか迷ってしまう… そんなボヤキも聞こえてくるぐらいレースが増えているという感がありますが、実際のところはどんなもんなんでしょうか。

今回は各地域のレース数とその推移を見てみましょう。元ネタは AJOCC ホームページのカレンダーより(*1)。2014-15 のデータはちょっと古いものを引っ張ってきて(だいたいあってるはず)。もう少し前のデータがあればより増えた感が実感できるグラフになりそうですが。

備考
+ 2日に分かれる大会はそれぞれ別としてカウント
+ 全日本、JCX 選手権などは開催地域へ算入(13-14:?, 14-15:東北, 15-16:信州, 16-17:宇都宮)

まずはシーズンごとの総大会数。

大会数推移

13-14シーズンから見ると20レース近く増えていますね。ちなみに13-14はお台場でのシクロクロス東京が第3回目、野辺山なら第4回を迎えたシーズン。大きな大会が定着というフェイズを迎えたころ、ってところでしょうか。

意外にも15-16と16-17ではほぼ横ばい。

次に地域ごとの推移を見てみましょう。

地域ごと大会数推移

途中から AJOCC に加入した地域は以下の通り
+ 14-15〜 千葉, 湘南
+ 15-16〜 宇都宮, 東海
+ 16-17〜 北海道, 前橋

関西は流石の2ケタ。ただし14-15シーズン(オレンジ)は2day開催があったので実質13大会でしょう。16-17シーズンは11戦が10戦になったりで-2。中国クロスのレース減少理由は不明。

「関東」となっているのは秩父と茨城ですが、秩父は15-16が最後で、16-17からは茨城シクロクロスのみで5戦を開催しています。

常連(?)の東北、信州、関西などは安定してレース数をこなしていますが、開催レース数は増えてはいないようです。特に東北や信州などは雪の関係でレースをこれ以上増やすのは難しそう。関西はもう日程限界値までレースをやっている感あり(2月頑張ればもっと行ける)。

やはり途中加入地域の大会数が増加分とカウントできます。青森や九州などでもローカルなレースはあるようですし、これからも増えていきそうな気配もあり。逆に、1地方のシリーズとして考えると、他地域のレースとの絡みもあったりで1シーズンあたり5〜10大会ぐらいが妥当になるのかなと思ったりします。

次回はもう少し細かく見てみましょうかね。

*1: シーズンごとで掲載の仕方が少し変わっているような気もしますが、誤差ということで。

走行%と順位%

さて、今回は AJOCC レースでリザルトに記載されている2つの特殊な数値、「走行%」と「順位%」について見てみましょう。国内の非 AJOCC レースや外国のレースでは用いられていない、独自の数値です。

走行パーセント

こちらの数値はこのごろは AJOCC のリザルトにもあまり掲載していないようです。昇格や残留には影響しません。計算方法は以下の通り。

走行%=トップタイム(1/10秒単位) ÷ ゴールタイム(1/10秒単位)x100
※ 1%未満は四捨五入
※トップと同一周回である場合のみ有効な数値となる

たとえば、トップのタイムが60:12.223で、自分が同じ周回数走ってタイムが61:23.660ならば

  • 1/10 秒単位に切り捨てて 60:12.2 と 61:23.6
  • (60×60+12.2) ÷ (60×61+23.6) x 100 = 98.061678792
  • 1%未満を四捨五入して 98%

となります。もちろんトップの選手の走行%は100となります。

値自体の意味合いとしては、「トップとどれだけ差があるか」がわかる数値と言えるでしょう。後述の順位%と違ってレースの人数ではなく、タイム的な絶対値の比較になりますので、どれだけの力量(脚、とも言う)の差があるかをより明確にあらわしているのかなと思います。昇格や表彰台を目指している選手は注目してみましょう。同一周回走れないと意味ないですケド。

とは言うものの、やはり昇格・残留には影響しないのであまり注目はされない数値ですね。

>>>追記
twitter にて @daisukeyano より情報いただきました。少し前までは走行%が残留基準になっていて、しかもその獲得基準が90%!へ〜。結構厳しい基準だったようですね。ただ考えてみると、出走人数などに左右されないため、実は順位%よりも良い基準なのかも。
<<<追記

順位パーセント

というわけで、こちらが本題。計算方法は以下の通り。

順位% = 順位 / 出走人数 x 100
※ 小数点は切り捨て

よって順位%は小数点以下の無い整数値です。

出走人数が52人で、23位ならば

  • 23 ÷ 52 x 100 = 44.23076923
  • 小数点切り捨てて 44%

となります。レース全体で見た時にどれぐらいの位置にいるか、というのが順位と違ってレース人数の大小に関わらずわかる、という面があります。シーズン中の推移など見てみるとコンディショニングに使えるかもしれませんね。

で、この順位%は AJOCC のルールにおいて「カテゴリー残留に影響する」というのが大きなポイント。該当するカテゴリーは C1, C2, C3, C4 のエリートカテゴリーと CM1, CM2, CM3 のマスターズ。残留のためのルールとして以下のようなものがあります*1。

以下の残留基準を満たさない者はシーズン終了後に降格となる。
・出走人数を基準にして1/4(25%)以内の順位 1回以上の実績を残した者
・出走人数を基準にして2/3(66%)以内の順位 3回以上の実績を残した者
なお、CL1からの降格は今期については行わないこととする。

http://www.cyclocross.jp/about/ajocc.html#rule
「カテゴリーについて その3 昇格・降格」「⑤ 残留基準について」より抜粋

ここで書いてある25%と66%が順位%のこと*2。

50人のレースならば12位(=24%)以内を取れば一発で残留決定。33位(=66%)以内ならば残留のためのチケット1枚ゲット、ということになります。

とくにC1とC2ではシーズン終盤になると残留チケット獲得あと何枚必要だ〜、といったことで遠征プランを考える選手も多いみたいですね。C1 への昇格条件も厳しくなりましたし、きちっとリザルトを取っていきましょう!

以上、走行%と順位%でした。

*1: ちなみに AJOCC のルールページには明記されていないが、シーズン中に昇格した選手はシーズン終了後の降格対象とならない。

*2: 小数点切り捨てを考えると「1/x以内の順位」という表現は厳密には正しくない?と思ったりするが、そういうもんらしい。

2016-17 AJOCC ルールについて

さて、中国での UCI レースに日本人選手も出発したりと、2016-17 シーズンの足音も聞こえてきました。そろそろ自転車(と脚)の準備ですヨ。

シーズン前に AJOCC のルールが変更された箇所を確認しておきましょう!プラス考察。元ネタは http://www.cyclocross.jp/about/ajocc.html#rule より。

JCX 同一周回での完走ボーナスを 20pt → 10pt

C1, CL1 のほぼナショナルランキングである JCX シリーズのポイントについての変更です。AJOCC 側からは「昨シーズンの結果から、順位による配点に対する割合が大きすぎたと判断したため。」と理由が説明されています。

2opt ってどのくらい?ポイントテーブルを見ると、一般レースでの40位に相当することがわかります。

例で考えてみましょう。Aさんがある JCXレースで、ラップされたけど38位で 22pt を獲得しました。次に他のレースでBさんが60位、先頭選手と同一周回ゴールでした。Bさんの獲得ポイントは5pt+ボーナス20pt。

Aさん22pt、Bさん25pt。ランキング的にはBさんが上になりますが、順位で見るとAさんの方が確実に強そうです。ボーナスが10pt ならばBさんのポイントは15ptになり、ボーナスの影響は少なそうな感じです。

順位をとってなんぼやで!な方向への変更、ですかね。

昇格の基準となる人数は完走人数 → 出走人数

このルールについては過去には地域ごとで認識が異なっていたようで、出走人数基準で昇格者が決まったりということもあったような気がします。今回のアナウンスで改めて出走人数が基準人数となります。

例えば C2 のレースで、10人出走 → 9人完走とします。基準人数は10なので、1名が昇格。2015-16 シーズン以前ならば基準人数は9となるので昇格者無し、となるわけです。

レース全体として見ると、昇格基準の数が増えるので昇格者も増えるかもしれません。効果は限定的だと思いますが。

選手にとってはスタートに並んだ時点で「何位でゴールすれば良いのか」という目標が立てやすくなりますね。完走人数基準だとレースが終わるまでわからないので、努力が水の泡、ということもなくなるでしょう。

C1, CM1 への昇格人数は1名のみ

これが本日の本題。

2015-16 以前の基準(*1)では C2 レースからの C1 への昇格は

  • 出走人数10人以上 → 昇格1人
  • 出走人数20人以上 → 昇格2人
  • 出走人数50人以上→昇格3人

CM2 もしくは CM2+3 レースからの CM1 への昇格は

  • 出走人数10人以上 → 昇格1人
  • 出走人数50人以上→昇格2人

となっていました。

ひどい時には C1 へ3名昇格、ということもありえたようです。しかし、実は C1 に所属する人数というのは極度に肥大化しています。人数の推移は以下のとおり(*2)。

15-16 シーズン開始時: 225人
15-16シーズン終了時: 319人(残留処理前)
16-17 シーズン開始時: 253人

12月の全日本の時に300人近い人数が C1 に居たってことで、これはちょっとトップカテゴリーとしてはさすがに人数が多すぎる。全日本では JCX ポイントでの参加制限が課されるようですが、その他の一般レースで100人超えのエントリーがあったらテンヤワンヤ確実です。トップカテゴリーとしてあるまじきアルマジロ。

また、C2 の16-17開始時人数は261人で、C1 より少ないという力のピラミッド的にはちょっとマズイ状況です。なので、C1 の人数を絞るためにも人数ピラミッドを適正化するためにも、C1 への昇格を制限しましょう、となるのは自然な流れといえます。

ちなみに残留条件については変更はありませんが、16-17の状況しだいでは厳しくなるかも?

選手から見ると、C1 はさらに狭き門になってしまいましたが、その分トップカテゴリーのありがたみというか重みは増したでしょう。C2 もかなり熾烈なレースが行われているとも聞きます。そこで勝った奴が1番偉いというのはわかりやすいし、トップカテゴリーへの切符を与えるには正しい基準だろうと思います。

CM1 への昇格については同上。ただし CM1 を単独カテゴリーレースとして開催しているのはほぼ関西シリーズのみで、それ以外の地域の選手ではあまり意識することは無いかもしれませんね。

以上、2016-17 シーズンのルールについてでした!Category2 の選手は頑張りましょう!

*1: 実際には基準人数は完走人数だったが、16-17 に準拠して書いた。

*2: カテゴリーごとの人数については手元計算なので誤差ありです。

選手コード

前回と関連して、AJOCC の選手コードのことを書いてみましょう。

選手コードは、たとえば KNS-156-0023 といったアルファベットと数字が組み合わさったもので、各選手ごとにユニークなコードが割り振られます。このコードを基準にリザルトやカテゴリーが管理されています。ちなみに全て半角。

2015-16シーズンより前は KNS-0023 という形式でした(*1)。しかしその後シクロクロス人口が一気に増えてきたため、選手コードの形式を変更することになりました。

現在の選手コードは以下の図のような意味を持っています。

racer_code_3

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