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UCI Point Racer データ(男子編)

前回に引き続き、UCI ポイントを持っている選手について見てみましょう。今回は男子 Elite。UCI ポイントランキングは 2017/2/4 のものを使用しました。

それでは早速行ってみましょう!

国別選手数

女子 UCI ポイント保持者は480名だったのに対し、男子では619名。もっと多いかと思いましたが。

女子 Elite ではアメリカが多くて、ベルギーが意外と少ないという結果でしたが、さて男子ではいかに。ということでまずは国別に人数集計してみましょう。

男子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-4(国別)

※人数が20名に満たない国は「その他」に合算しました。

アメリカがやっぱり飛び抜けて多いですね。国内での UCI レース開催数が多く、競争相手がいないためでしょう。これは女子とかわらない傾向。

そして2位はベルギー!女子人数は少なかったのですが、やはり華の男子 Elite。周辺国の選手がこぞってやってくる環境ですが、やはりヨーロッパのドンとして人数を揃えています。

3位はフランス,,, あれ?ベルギーのライバルのオランダだと思ってましたが、オランダは24名。ベルギーの半分もいないぞ。フランスはベルギーに接している分、ポイント獲得の機会も多いのでしょう。Under23 などでは前の方で展開しているのをみますが、男子 Elite では目立って強い選手は思いつきません。やっぱりロードの方が盛んなお国柄なのでしょうか?

ベルギー、フランス以外を見てみると20〜30人でおおよそフラット。「その他」の人数も居ることから「飛び抜けて強いのはいないけど、世界各国ともそこそこ強い選手が平均的に居る」ってところでしょうか。

次は上位100名。

男子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(上位100名のみ/国別)

来たっ、ベルギー!なんと56人中25人が100位以内。プロも多いし、ガチで走っている選手率が高いってこと。当然25%だから、4人に1人はベルギー人かよ。

アメリカはまあこんなもんかな、ってところでノーコメント。

先程目立たなかったオランダですが、面目躍如の3位の人数。やっぱりシクロクロス大国でした。人数的にはベルギーには劣りますが、若い選手の割合が多いのが◯。

フランス、スイス、チェコ、そして謎の(笑)スペインがある程度人数を揃えていますが、他はそこそこの人数。日本は Anchor の沢田時選手が77位、BLITZEN の小坂光選手が83位。ちなみに Toyo の竹之内選手は227位。国内レースでの不調がランキングに響いたようで、17-18シーズンの復活を期待したい。

年齢別選手数

さて、青と黄色で U23 とそれ以外のオッサンベテランを分けてきましたが、女子とはちがって意外と黄色の U23 選手数がそれほど多いというわけでは無さそうですね。

同じようにグラフを作ってみましょう。

男子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(年齢別)

Tankograd Central(自転車研究所) からのネタですが、54のところでグラフが持ち上がっているのは我らがスワコレーシングの帝王、小坂正則選手。ちなみに2位(?)は49歳でその差5歳。若い選手のためにも、親父の星としてもこれからも頑張って欲しいところ。

さて、まずは全体人数(青線)を見てみると、女子とおなじく Under23 の世代が最も多くなっています。そこからは全体的にはダラダラ~と減っていきますが、27歳で謎の落ち込み。兵役とかの関係?30付近でも落ちこんでいますが、三十路を迎えて人生考え直す頃合いなので何となく分かる気がします。

トップ100名(黄線)では、U23 世代は比較的少なめになっています。女子とは異なり、ベテラン選手の層も厚く、すぐには成績を出せるほど甘くはない、ということでしょう。

そしてやっぱり27歳での謎の落ち込み。理由はやっぱり不明。

全体的には「強いわけではないが、次の世代を担う選手が沢山活躍している」という、競技スポーツとしては良い傾向が見られます。

Under23 選手数

さて、最後に女子も併せて、U23 選手の割合を見てみましょう。

Under23 選手数割合(ランキング、地域ごと)

女子では U23 の割合が地域ごとで大きく異なっていす。

しかし、男子では似たような傾向(つまりヨーロッパでは U23 選手が多く、それ以外では少ない)が見られますが、その差は大きくはありません。

トップ選手100名中の U23 選手割合は21% (UCI Top100)。これを見ると男子では「強い国は若い選手が多い」わけではないようです。むしろベテラン層が厚いとみることもできます。もちろん、女子では U23 が17歳からだったり、男子のほうが競技として盛んである、というのも要因ではありますが。

まあ、男子ではそれほど問題視しなくてもよさそうです。概ね2〜3割が U23。

まとめ

以上、男子 Elite の UCI ポイント所持者について見てみました。

やっぱり日本の C1 の選手構成と比べると若い選手が多いという点が大きな違いでしょうか。

C1と男子 Elite UCI ポイント保持者の割合

日本国内として15-16の C1と、UCI ポイント保持者@2017/2/3 について、年齢構成を並べてみました。

ほぼ真逆の傾向ですね。C1 は38〜43ぐらいの年代がごっそり。シクロクロスだけでなく、MTB も強い選手が多いイメージのある世代です。

ただし、やっぱり次世代となる若い年代が少ないのは競技スポーツとしてはバツ。(毎度の結論ですみませんが。)まあ特殊なスポーツって広がらなければただのマニアック&マイナー競技で終わってしまいますから、そうならないようにどうやって盛り上げていくか、巻き込んでいくかは考えていくべきでしょうね、

以上、UCI Point 所持者、男子編でした!

UCI Point Racer データ(女子編)

今回のネタの着想は Tankograd Central(自転車研究所) より頂きました。日本選手の UCI Point についてもまとめられています。UCI のページで UCI Point のランキングに国やら年齢やら載ってるとは嬉しいですね(誰が?)。早速まとめてみましょう。

まずは予備知識を。UCI Point は52週のローリングランキング、と表現されます。規定としてはシクロクロスの競技規則の5.2.003あたりに見られますが、要するに

  • UCI レースでの獲得ポイントを積み上げて多い順に順位を付ける
  • 1年以上前のポイントは加算しない
  • ランキングは UCI の発表によって更新される(発表が無ければ順位変動はしない)

というものです。何が言いたいかというと、UCI の発表があるたびにドンドン変わっていくランキングで、今日123位、明日456位、明後日222位ってこともあり得るわけです。本記事では 2017/2/3 時点でのデータを利用しています。世界戦が終わった直後だから、ちょうどいいかな?

今回は女子 Elite を見ていきましょう。

国別選手数

UCI ポイント持っているからと言って「強い国」だとは限りませんが、1つの指標になるでしょう。というわけで国ごとに UCI ポイントを持っている選手の人数をカウント。

女子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(国別)

人数が10名以下の国は「その他」に合算(*1)。

アメリカが飛び抜けて多い77名。これは純粋にアメリカ国内の UCI レース開催数が多い、それから国外からの参加者も少ないため、ポイントも奪われにくいからでしょう(参考→17-18 UCI カレンダー)。

逆に大国ベルギーが21人だけ!オランダより少ないは分かるとしても、シクロクロスにはアウェー感のあるイタリア、スペインよりも少ない数になっています。

考えてみると、確かにワールドカップなど UCI レース開催は多いですが、周りの国から遠征してくる選手も多いためポイント獲得争いが熾烈なのかもしれません。それとも女子は意外と人気ないのか?

続いてさらに強い選手ではどうよ、ということで UCI ポイントランキング上位100名で見てみましょう。

女子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(上位100名のみ/国別)

割合としてはアメリカとその他、それからスペインが減。フランス、ベルギー、オランダが目立っていて、全体的にはそこそこ僕のイメージどおりという印象。

日本の4名は坂口(59位/U23)、武田(74位)、與那嶺(82位)、今井(93位)。武田が中国で UCI ポイントを獲ったぐらいで、後は日本国内レースで稼いだポイントでの順位。UCI ランキングがスタートの並び順に影響してくるので、意外と稼げているようです。

*1: UCI ポイント所持者10名以下の国は以下の通り(Elite人数-うちU23人数)

  • アルゼンチン (1-0) ←どこで UCI ポイントゲットした?
  • オーストリア (10-2)
  • チリ (3-0) ←どこで(以下同文
  • デンマーク (10-4)
  • エストニア (7-3)
  • フィンランド (6-2)
  • ハンガリー (7-2)
  • アイスランド (2-1)
  • アイルランド (10-0) ←イギリス近い
  • ラトビア (1-0) ←ごめん、どこだっけ?
  • ルクセンブルグ (7-2)
  • ポーランド (10-5)
  • スロバキア (9-6) ←U23多めで◯

年齢別選手数

ここまでの2つのグラフをみると、意外と黄色のグラフ、つまり U23 の割合が高そうだ、というのがわかります。男子 U23 は19〜23なのに対し、女子の Under23 は17〜23歳。その分だけ男子より U23 選手数が多くなります。

年齢ごとの UCI ポイント所持者人数を数えてみましょう。

女子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(年齢別)

なんと Under23 以下が多い!高校生年齢の17,18がもっとも多く、大学生年代が続きます。25歳の凹みは「就職したら一段落」?その後も競技を続ける人は35歳ぐらいまで、と人生の縮図が見えそうなグラフですね…

女子 Under23 のレースが Elite とは別口で開催されることはほとんどなく(*2)、U23 の方がポイントを稼ぎやすい、というわけではありません。純粋に人数が多いのでしょう。

上位100選手のみ(Top100-)で Under23 に注目してみると、さすがに割合そのままとは行きませんが、やはり23以上の年代よりも選手層は厚いように見えます。

*2: ナショナル選手権で女子 Under23 が開催されている国も結構あって、16-17シーズンの U23 レースは19レース(世界戦など含む)。

Under23 選手数

1番最初のグラフを見返してみましょう。

女子 Elite UCI ポイント保持者@2017-2-3(国別)

チェコから左はヨーロッパ。それより右がそれ以外。眺めていると、

「右の方青いところが多くね?」

ってこに気づきます。 つまりは U23 が少ない。逆にヨーロッパは U23 が多く、もしかして半数以上?というわけで U23 の選手数の割合を出してみると、

UCI ポイント所持者における Under23 選手数割合(ランキング、地域ごと)

おっと、本当にヨーロッパ半数以上が Under23 でした。

それに対して欧州以外は約2割ぽっち。日本も全18人に対して U23 が3人で16.6%と最低レベル。こんなに違うものか…

競技者目線では「やはり若い選手が多い方が」と考えてしまいますが、それでは毎度なので、今回は視点を変えて考えてみましょう。

ヨーロッパ以外のエリアで Under23 が少なく、それより上の選手が多い。ということは高校・大学を出て、就職して結婚してと人生が進んでいってもシクロクロスを続けられる環境・社会が整っているということでは無いでしょうか。ヨーロッパではスポンサーの付いたプロは多いが、アマチュアレーサーはそれほど多いわけではないと聞いたこともあります。シクロクロスってお金かかりますし。

楽しく続けられるのっていいことですよね!個人的には全日本取れなかったから全部おしまい、というのもキライじゃありませんが、アマチュアスポーツとしては日本、アメリカともに悪くない感じで広まっていて、年齢が進んできてもチャレンジできるようなスポーツになりえているのかなと思います。

ま、もちろん次の世代が増えて世界で活躍して欲しい、という願望はみんな持っていますが、ね。

まとめ

以上、女子 Elite の UCI ポイント所持者について見てみました。

U23 選手数以外の点では、ベルギーの選手が少なかったのが意外でしたね。少数精鋭なのでしょうか。確かにベルギー男子ほど圧倒的では無いですので、まあイメージどおりかもしれません。

次回は男子!さてはてアメリカ、Under23 の選手割合はどうなることやら。

CX 年齢

シクロクロスの、というか自転車競技界の年齢の数え方について見てみましょう。

UCI 競技年齢

U23 という指定のあるカテゴリーは Under23 つまり「23歳より下」のはずですが、22歳の選手が出場できない、早生まれの選手だから出られる、などと聞いたことありません?

UCI の規定する自転車レース界での年齢(誰が何歳である、と決める数字)の定義は以下にみられます。

For  participation  in  events  on  the  international calendar,  riders’  categories  are determined by the age of those competing as defined by the difference between the year of the event and the year of birth of the rider.
国際競技日程に登録された競技大会への参加にあたり、競技者のカテゴリは競技大会の行われれる年と競技者の生年との差で規定される競技年齢により決定される。
JCF 競技規則 1.1.034 より抜粋

例えば2017年に行われる大会に、2000年生まれの選手が出場したら、2017-2000=17ということで、競技年齢は17歳とみなされます。「その年に達する年齢でカウントする」と表現する人もいました。

実年齢で考えると、2000年生まれの君は2017年には17歳に達します。もちろん、17になる前には16歳ですので、2017年のある日時点では実年齢16歳と17歳の2つの場合が発生します。

よって「実年齢16歳だけど、17歳カテゴリーに出場」という状況が発生するなるわけなのです。

以上は自転車競技の一般的なお話。シクロクロスだと少し違ってきます。

シクロクロス年齢(CX 年齢)

というのも、シクロクロスは秋から春まで行われるスポーツです。ということは年をまたぎます。またぐということはシーズン途中で競技年齢が1つ上がってしまうのか?いいえ、答えは No です。

Except where provided otherwise for the masters category, the category which will be applied for entries to races for the entire season is the category to which the rider will belong on 1 January of the following calendar year.
マスターズ・カテゴリに規定される場合を除き、シーズンを通じた全レースにおいて適用されるカテゴリは,翌年1月1日に当該競技者が属するカテゴリとする。
競技規則第5部シクロクロスレース 5.1.001 より抜粋

あまり JCF の和訳がよくないですね… following calendar year は「翌年の」ではなく、「後ろの年の」とか「後半の年の」という方が正しいです。シーズン後半の年、という意味。

例えば2016−17シーズンのレースであれば、開催年は2017とみなされます。2017年に17歳に達するのであれば、大会の開催日が2016/10/23だとすると CX 年齢(*1)は17歳。ただし、同じ2016年でも、15-16シーズンに該当する2016/2/13の大会だったとしたら、CX 年齢は16歳となります。

もう1つ例をだすと、例えば2000/12/25生まれの君が2016/10/23の大会に出走した場合。

もちろん16-17シーズンなので CX 年齢は17と判断されます。しかしレース日は12/25の誕生日よりも前なので、実年齢16歳には達しておらず15歳。不思議な感じもしますが「15歳だけど17歳」という状況もあるんですね。

ルールにある “Except where provided otherwise for the masters category,” の詳細については不明。1/1 でカテゴリーが切り替わる、ということかしら?

*1: 「CX 年齢」という言葉は僕の造語です。

各カテゴリー年齢制限

最後に AJOCC カテゴリーごとの年齢制限を確認しておきましょう。ただし、とくにキッズカテゴリーについては地方ごとで運用が異なる場合があるようです。C3, 4 の下限年齢が怪しいですが、だいたいあってるはず。表中の年齢は全て CX 年齢です。

AJOCC カテゴリー年齢範囲
C118歳〜
C216歳〜
C3,414歳〜
CJ17,18歳
U1715,16歳
U15小5〜14歳
CK2小3,4
CK1小1,2
Kindergarten未就学児童
CL2,314歳〜
CM1,2,339歳〜

UCI も確認。

UCI カテゴリー年齢範囲
Youth〜16歳
Junior17,18歳
男子Under23(U23)19〜22歳
Elite23歳〜
Masters30歳〜
女子Under23(U23)17〜22歳

女子 U23 カテゴリーはシクロクロス用競技規則に規定されています。

マスターズ選手権では Masters 30歳以上で一括りではなく、 30〜34, 35〜39, 40〜44,,, といったふうに細かく区切られてレースが行われ、それぞれでチャンピオンが決まります。

以上、ちょっと不思議な CX 年齢のお話でした!