月別アーカイブ: 2016年2月

コース(その3/ゴール・横断)

前回スタート区間に引き続き、ゴール区間の規定と観客の横断箇所について。

Finish section

ゴールに関するルールについてはちょっと記述が分散していて、最初に出てくるのは 5.1.008。

  • Finish Line の100m前〜50m先までの区域は柵によって保護する
  • このエリアに入れるのは運営スタッフ、選手、アテンダント、チーム監督、報道関係者のみ

おそらく勝負かかったところで外部の観客などが邪魔にならないように、それからゴール後の流れをスムーズにするという意図かと。

ちなみにスタートには「柵によって保護すべし」という規定はありません。むしろ大集団でスタートする場合のほうが柵は必要になりそうですが…

もう1つの規定は 5.1.021「Finish section」

  • 100m以上の直線であること
  • UCI 世界選手権、ワールドカップでは幅6m以上であること
  • その他の大会では幅4m以上であること
  • 平坦か上り勾配であること
  • 頭上のフィニッシュバナー(FINISH とか書いた横断幕のようなもの)は高さが地上から2.5m、かつゴール区間の全幅をカバーすること。

スタートと比べると比較的簡単ですね。Finish Line 手前から100mの直線区間は先の規定により、柵によって保護されることになります。

Finish section

Finish section

面白いことに、ゴールセクション内に障害物を設けることは 5.1.022 で禁止されていますが、路面についての規定はありません。

と、ということはFinish が泥っどろの路面、担ぎの激坂、BMX のデコボコでも OK! ということですよね?(*1) Finish が担いで丘のてっぺんまで駆け上がるとかちょっと萌えません?

しかし普通は自転車的スプリントで勝負を決めるのが良いでしょうから、大抵はアスファルト、そうでなくとも平坦の硬い土路面や草地でのゴールが一般的です。確かに自転車競技ですので勝敗がランニングで決まっても変な感じですし、何よりガッツポーズが絵にならない(もしくは出来ない)のが致命的か…

*1: ちなみに砂場 (Sand pit) は Obstacles の項にかかれており、障害物として規定されているようなのでおそらく駄目。

Crossing points (横断箇所)

「Cyclocross のコースは周回路 (circuit) にすること」

つまり、コースを横断する箇所がなければコースの内側には誰も入ることができなくなってしまいます。

横断箇所の規定は 5.1.008 に少しだけ。

  • 観客のための横断箇所を4箇所以上設けること
  • 各横断箇所ごとに、2つの一方通行レーンがあること
  • 横断箇所の両側で横断が管理されること(つまり立哨員をたてて、レースに影響しないように観客を横断させること)

2つめは少し謎ですが、おそらく行きと帰りでぶつからにように誘導しなさい、ということだと思われます。コースの真ん中で客が止まってしまったら怖いですからね。

Crossing point

Crossing point

ルールブックには書いていませんが、「横断箇所」などと書いたバナーによってゲートが作られ、横断箇所が示されています。

UCI や大規模な大会を除き、横断箇所が設けられていない大会も多くあります。何よりレース運営上でも立哨員を8人も確保するのは大変ですしね。

そのような場合はそれぞれの判断・裁量でコースを横断することになります。「コーステープの内側は戦闘区域である」という認識を持ち、特にレースがやって来る方向をよく確認してコースの横断を行ないましょう。

以上、ゴールと横断箇所のお話でした。