80%ルールとUSA運用ガイドライン (3)


前回に続き、USAC が提示したレース運用のガイドライン。今回はレーススケジュールと時間調整についての提言を見てみましょう。

※ちなみに、80%ルールの話だけだと勘違いしてましたが、表題”CX Best Practices(For Race Director and Officials)”の通り、レース運用の全般についてのガイドラインになっていますね。

以下本文中の (*ホニャララ)は僕のコメント、ツッコミなど。


スケジュールと時間配分

レースの時間配分

運営が作ったスケジュールと選手の動きがマッチするためには、レースの時間をどう計算するかを考えることは重要だ。普通は第1周の、もしくは第1周と2周の平均タイムを使い、トップ選手のゴールがあらかじめ決められた規定時間程度になるように周回数を決定する。40〜45分を超えるレースなら、1,2周の平均タイムで決めるのが良いだろう。以下の項目にも注意。

  • コース距離と予想周回タイムは?
  • レース間隔(時間の差)はどれだけある?
  • トップ選手と最下位選手のラップタイムの差は?
  • レース中にラップタイムが激しく落ちる可能性がある?(削れたり崩れたりといったコンディションの変わるコースや天気)

例を挙げてみよう。

  • 9:00スタートのレース
  • レースの規定時間は40分
  • 先頭が7:00で走った→レースは6周回と決定される(42分になる)
  • しかし、周回遅れでない最後尾の選手が8:00+α/周で走ったとすると、レースは実際には42+8=50分となる。
  • もし、次のレースが9:45だとすると重なってしまう。

スケジューリングをするとき、以下のことを考えよう。

  • 前のレースが進行中に次のレースの選手を並ばせたいのならば、スタートエリアをコースとは分けるべきだ。(* スタートループをつくれ、ということ。)
  • レース先頭がゴールした後、最後尾の選手がラスト周回をこなすだけの十分な時間があるか?
  • 次の出走レースに対して、ウォームアップを考慮したコース試走がどれだけの時間設定されているのか。(*翻訳怪しいです)

レーススケジュール作成とカテゴリー

以下は経験のあるレースディレクターからの提言であり、スケジューリングに役立つであろう。

1. もし混走レースならば、能力・スピードの近いカテゴリーを一緒にすると良い。例えば、中高生ならマスターズと一緒でも良いかも。こうすることで、周回遅れがレース先頭にバッティングすることも減らせる。

2. 混走ならばゼッケンを認識しやすいように分けること。例えばマスターズ35+カテゴリーと55+カテゴリーを混走でやるならば、ゼッケン番号は301〜350と501〜550というように分けるのが良い。運営、選手、計測屋にとってもわかりやすい。カテゴリーごとに異なった色付けやスポンサーロゴなどがあるとさらに良い(とくに選手にとって)。また、一方のカテゴリーのゼッケンを昇順(101,102,103,,,)に、他方を降順(299, 298, 297,,,)で割り振ると良い。こうすると十の位が別々になり、リザルト集計もよりやりやすくなる。

(* 昇順降順のところがよくわからないが、おそらく、それぞれのカテゴリーが50人以下であればという条件で、百のケタだけでなく十のケタもカテゴリーによって異なる数字になるので、さらに見分けやすくなっていいよね!ということだと思われる。マニアックすぎる。)

3. 出走者のキャパシティをかんがえること。1つのコースに200人の選手をOKとすることは可能かもしれないが、選手にとってはあまり良くないだろう。出走人数を増やすために長い、もしくは速度の上がらないコースを作っても良いが、ピットの能力に大きく影響するだろうし、先頭がゴールしてから最後尾がゴールするまでかなりの時間がかかってしまうだろう。

4. 混走レースならば、第1グループ(*=早い方のグループ)の先頭がゴールしたら、それ以降の全ての選手をゴールとする方式は時間の節約になるが、それでも他のレース体験を損ねることはない。

(* たとえば C2 と CM1 が混走のレースをして、C2 の先頭が CM1 より先にゴールしたとしたら、それ以降にゴールラインを超えた CM1 選手もゴールとしてしまう、ということ。もちろん周回数が考慮されるので、C2 先頭ゴールの後にCM1選手1番にゴールライン超えたからと行って CM1 の1位になるわけではない。現実的に混走レースでカテゴリーごとにゴールタイミングを違うくするのは難しい。)

5. 混走同時スタートはまれに必要となる。しかし、同時スタートの数はなるべくすくなくするべきであり、時差スタートの場合の時差は小さい方が良い。第1出走グループの数分後に出走するなどとしたら、周回遅れによる影響が多数発生してしまう。例えば7分/周のコースで4グループが1分置きに出走するのであれば、最終グループは第1グループが半周したころにやっとスタートとなってしまう。

例: 以下の出走スケジュールがレース運営にどう影響するかを見てみよう。

状況: レースは Women1+2, Women3, Women4 のカテゴリーをこの順で約1分置きでスタート。先頭はレース時間40分で、ラップタイムは7分ぐらい。考えるべきことは、

  • Women4 は先頭から2分遅れでスタートとなり、周回遅れが多数発生するだろう。
  • もしレース全体の先頭を基準として80%ルール適用もしくは周回遅れ除外をおこなったら、Women3, Women4 の多くの選手が除外されてしまうだろう。
  • レースの先頭の選手は渋滞に巻き込まれるだろう。
  • 現実的に、審判も Women3, Women4 の先頭選手に影響しないように除外処理をすることは不可能だろう。
  • 明白に異なるゼッケンナンバーを用いるとリザルト集計が楽になる。例えば Women1+2=201から発番、Women3=301から発番、Women4=401から発番、とか。異なる色のスポンサーロゴだとなお良し。
  • レース先頭がゴールした後、最後尾がゴールするまでにどれだけ時間がかかるを知るためにも、最も遅いカテゴリーのラップタイムがどれぐらいになるかを知っておくことが必要。
  • 計測屋と審判の両方がレース終了後にカテゴリーごとの順位集計に時間をさかなければいけないだろう。人手が多く必要になるだろう。

このレースでは、先頭は6周を走る(6周x7分=42分)。もっとも遅い選手は1周8分以上かかるので、このレースが終わるまでにはおおよそ50分という時間がかかる。

このようにスケジュールを進めたい、というのはよく理解できることだが、同時に前述のような問題点があって、どうやってそらを処理するかを理解し、予測することが大切である。こういったタイプのレースで選手を排除するようなことのないよう頑張るべし。

シクロクロスシーズンにおいて一日の明るい時間の全てを使ったスケジュールというのは難しい。事故や準備、登録、リザルト、異議申し立て、コースの修理などにより、もしレースが遅れてしまったら、残りのレース時間が短くせざるを得なくなる。これも審判とレースディレクターのコミュニケーションの問題である。

以上、後はうまくやってくれ。


はい、以上でした。全般に結構当たり前のことしか書いてませんでしたが、レースを組み立てる時に考慮すべきことは網羅されているのかしら(多分。僕は運営やったことないけど)。

ゼッケン番号昇順降順で、というのは苦肉の策という印象。レース参加者をできるだけ多く、というのもわかりますが、そういういびつなレースを組むぐらいだったらそもそもレース構成を考えな方した方がいいんじゃないか。でも最後の工夫としてはありなのか。

個人的には新しい概念というか新手法を期待していたのですが、ちょっとガッカリ。どちらかというと全体的に2016末のレース運営のような不備をこれからはやらないように!ということを言いたかったのかな、という感じを受けます。

まあレース運営は思った以上に色んな事に気を配らなければいけないものですね。スケジュール組むのも難しそうと実感。レースを運営するオーガナイザに感謝!

というわけで、USAC のレース運営ガイドラインでした!

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