UCI ルール Updated@2017/1/28


1月末に UCI のシクロクロスに関するルールに変更がありました。シクロクロスにも UCI 公認のチーム制度ができたようです。今回はその内容を見てみましょう。

元ネタ: 2017/02/05_Cyclo_Cross_170128.pdf
1つ前のルール: 2016/06/05_Cyclo_Cross_160607.pdf

相変わらず適当ざっくり和訳で、行ってみましょう。


ワードの変更

全体にところどころで

UCI individual cyclocross classification → UCI individual cyclocross ranking

というように、classification(等級分け、格付け)という言葉が ranking に変更されています。UCI 発表の「ランキングを」使いますよ、というのを明示する目的での変更だと思われます。

5.1.001 – UCI recognized teams(UCI 承認チーム)

以前からあった項目で「以下のチームの名前・ウェアでレース走って良いよ(ナショナルチームの服装縛りがある場合を除く)」という規則。これまでは UCI 登録のロード, MTB チームが認められていました。

今回はこれに「規則第V章によるUCI シクロクロス・チーム」が追加。これの詳しい内容は後述。書いてある順序はクロス→ロード→MTB なので、シクロクロスのチーム名・ウェアが優先するものだと思われます。

(ちなみに文章ニュアンスとしては、UCI チームに所属してないなら適当なウェアで走っても OK な感じです。勿論 UCI チームに所属したら統一のジャージでしょうが。)

5.1.060 Rider’s clothing – Order of priority
(選手の服装 – 着用の優先順位)

「全日本ジャージ持っていてもアルカンシェル持ってたらアルカンシェル着なさい」という規定。これが規則 1.3.071 に移動しました。1. から始まるのは自転車競技一般の規則。競技によらず着用順位を統一しましょう、という意図でしょう。

5.2.014

これは新しく追加された項目。内容は以下。

  • UCI シクロクロスのチームランキングを作成する
  • 対象となるのは第V章で規定するチーム
  • 各チームごとに「UCI 個人ランキングの男子最上位選手のポイント」と「同女子最上位選手のポイント」を合計してチームポイントとする
  • 同点となったら女子ランキングで決める

男子1名+女子1名のポイントでランキング。これって意味あるのだろうか、と思いましたが、最後の項目でちょっと納得。おそらくチームランキング作りつつの女子を盛り上げたい、ということかなと思います。

でもどれだけ注目されるかは微妙な気が…

5.3.023 Leader’s skinsuit(UCI ランキング首位者のウェア)

「UCI ランキング1位には UCI がワンピースあげるから、ワールドカップでは着なさい」というルール。でもアルカンシェルと比べるとどうしても見劣りするし、デザインも味気なくてイメージ薄いんですよね。

以前までは「チームの広告をつけていいよ」でしたが今回の改定では「UCI 公認チーム所属ならば、そのチームの広告を付けていいよ」になりました。

もしスポンサーが居るならチーム登録しないと、いざという時に広告貼れない!となってしまいます。ヨーロッパプロは積極的に UCI チーム登録することになるでしょう。

第V章 UCI CYCLOCROSS TEAM

さて、やっと今回の本題にやってきました。ロードなどでは以前から UCI プロとかコンチネンタル登録とか細かく規定されていますが、シクロクロスでは今回の改定でチーム規定がごそっと新規追加となりました。

言われてみればこれまで無かったですね。さて、どんな内容で、これによってどんな違いが生まれてくるのでしょうか。

いちいち訳していると日が暮れるので箇条書きでいってみましょう。

section1 Identity(規定)

  • 選手は19歳〜
  • 所属選手3名以上
  • 女子を1名以上含むこと
  • チームは男女で分けない
  • ロードや MTB の UCI チームに加入していても手続き踏めば所属 OK

やっぱり女子を盛り上げたいのかな?

  • 2者をメインパートナー(スポンサー)として指定できる
  • チーム名はメインパートナーの企業名・ブランド名でなければならない
  • 他と同じ名前のチーム名・パートナー名は駄目

第3スポンサーの名前やロゴは配置できません。スポンサーロゴだらけゴテゴテなウェアは美しくない!ってところでしょうか。

section2 は割愛。

section3 Registration(登録)

  • シーズンごとに UCI に登録を行なうこと
  • 登録が有効な期間は8/15〜翌年3/1である
  • チーム責任者・パートナーはシーズン通じて頑張ること

さらっと書いておりますが、ここ重要ですよ!

特に本場海外でという話ですが、今まではロードチームとの関連もあり、シーズンど真ん中の1月1日に選手の登録チームが切り替わる、ということがありました。

正月の悲劇

僕もそんなもんだと思ってましたが、よく考えるとスポンサーとしても大問題ですよね。例えば自分とこの選手がワールドカップで勝ちまくってて、このまま行けば総合首位間違い無しシメシメだと思ってても、1月に他のチーム行ってしまってあっという間にライバル、とか。

選手としてもスポンサーが変わってバイクも変わってしまう場合があります。ヨーロッパの年末年始はレース続きなのですが、昨日はコ◯ナゴ、明日はリ◯レーで勝てというのはそりゃ無理ってもんです。

そんないびつな状況が改善される一手になりそうですね。

  • 申請は7/31までに(ここまでに選手の UCI 登録も必要)
  • チーム登録料あるよ(毎年 UCI 理事会が決定)
  • 1月1日〜10日のどこかで1回だけウェアのデザインを変更できる

おっと、途中のデザイン変更は OK。確かにロードチームでは正月にスポンサー変わらずともジャージデザインを変えることがあるので、このためでしょう。

チーム登録でのメリットは以下。(※ワールドカップ = WC)

  • WC ランキング首位ジャージ上の広告(前述)
  • WC 発表のエントリーリストやリザルト上にチーム名表示
  • 世界戦、WC で「ピットエリア内チームマネージャーゾーン」への ID を2つ付与、駐車パスを2つ付与。
  • UCI からの直接メーリングリストへ登録
  • UCI ウェブサイト上でのチームデータ公表
  • UCI チームランキングの対象とする(前述)

ID のとこの和訳が怪しいですが、既存の「選手1名につき2名のメカニック」に加え、さらに監督2名がピットに入れるようになる、ということだと思います。Team manager zone ってなんやねん。

section4 Contract of employment(雇用契約)

まともな雇用契約しましょう、という内容。「移籍金制度は駄目よ」という項目があったりします。

section5, 6 は割愛。

巻末の付録部分にチーム契約書の例が載っています。JCF の訳ではシクロクロスのはずの箇所がマウンテンバイクになってたりしますが…


以上、ルールブックのまとめでした。

個人競技的側面の強いシクロクロスなので、さすがにロードのようにチームがプロだコンチネンタル登録だからどーのこーの、というような厳しいことはありませんでした。

また、チーム登録しなくてもワールドカップには出場できるので、一般の選手ではチーム登録するメリットは少な目。しかし逆に大きなスポンサーを抱えてトップ争いをするフィデアやナポレオンゲームスなどは必ずチーム登録をするでしょう。

あとは女子を男子に巻き込んで盛り上げたいみたいですが、どうなるでしょうねぇ。

一番大きなポイントは、やはりシーズン途中での移籍を防ぎ、選手や観客にとってもスポンサーにもわかりやすくすること。シーズン途中、しかも世界戦の4週間前にチーム変更ってどういうこと?!ってなりますよね。UCI としてもシクロクロスシーズンの一貫性を考えた上でのルール設定であり、当然っちゃあ当然の改定です。

チームランキングは個人的にはあんまりうまくいかない気がしますが、どうなるでしょうね。

以上、UCI ルールの変更について、でした!

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