JCF の登録方法がオンラインでできるようになりました。今までは県車連の紙手続きをしなければ通らなくて面倒だったのですが、さてどうなったんでしょうね。前とこれからを比べながら、その詳細に迫ってみましょう。
昔むかし
その前にちょっと昔話を。
ある選手がロードの全日本 TT に申込んだのですが、その申込は JCF の地域の下部組織である都道府県自転車競技連盟宛てになります。そして JCF の大会要項には「いついつまでに県車連からの申込がなされること」とあります。
県車連に申し込み、練習に励んでいましたが、1本の電話があり「JCF への申込が間に合わなかった」とのこと。え?
「なんとかなりませんか?」
「いや、本当に申しわけないが無理です。」
「うーん…」
同じことになってしまった別の選手からも激しい抗議があったようですが、無理なもんは無理で通らず。県車連と JCF って一心同体だと思っていましたが。というより、何て融通の効かないことだ。
選手はがっかりしました。
しかしそもそも県車連が出先機関になっている形がよくわからない。結局 JCF が書類まとめているんだよね?全日本に申込忘れとかどうするのだ。そもそも JCF だって県車連に申込の有無ぐらい確認したら?
こんなことが2度とあってはならない。未来の選手のためにも、頑張って要点と意見をまとめ、メールを JCF に送りました。
しかし JCF からは返答はなし。
選手はもっとガッカリしましたとさ。おしまい。
これまでの問題点
その後、選手やチームごとに JCF に直接メールを送っておいてとか Cc で確認するとか一応チェック手順が追加されましたが不完全感は拭えず。大きな組織なんだからもう少しどうにかすればいいのに、と思っていました。
大きな問題点は1つ、
「なぜ JCF が都道府県車連を経由して手続きしなければいけないのか」
でした。
手順が複数になればその分ミスが発生するし、上の昔話のように JCF が下部組織のミスについては受け付けないというのもおかしい。
もちろん歴史的な理由などあるのでしょうが、選手としてはよくわからないし面倒くさい。少なくとも時代遅れ。
そんなモヤモヤが(個人的には)10年以上前からあったわけですが、それが今回やっとこさ改善されたわけです。
New System!
というわけで新しいシステムの登場。http://jcf.or.jp/?page_id=53792。選手登録の要点を並べてみましょう。
- オンラインで JCF 登録できるようになった。
- 決済もオンラインで(カード or コンビニ払い)。
- JCF レース申込もできるみたい。
- 登録はとりあえず継続登録にのみ対応。
- 継続の申込は2月1日12:00 〜 3月30日15:00。
- 県車連への書類提出でも登録できる。
- 新規・再登録は4/1〜。
- ライセンス期間が4/1〜3/31だったのが1/1〜12-31に変更。
- ライセンスが紙から樹脂製に。
- 国内ライセンス持っていれば国内の国際大会(UCI レース)に出場できる。
- ただしライセンスに顔写真がはってあること。
新システム使用量(決済手数料?)はかかるようですが、オンラインで完結するのはうれしいですね。
実際に新システムのトップページに行くと、赤文字で注意事項がびっしり…。補足しておくと文章中の「所属団体」とは都道府県車連のことです。
上の国際レースの絡みでいくと、本人の顔写真の項目が気になります。
- 登録申込後、1時間以内にメールで写真を送ればライセンスに写真が付く。
- 写真データは 700kb 以下の jpeg ファイルであること。
- 2.4cm x 3.0cm のカラー写真であること。
- ファイル名は指定どおり付けること
- 画像サイズとか間違ってたら無効なのでよろしく。
最初と最後の項目はなんだかなあと思います。送られてきたライセンスに写真が無くて、とかどうするのだろう。システム屋的な視点としては×です。
それから JCF レースの申込状況とかはライセンス番号と電話番号を入力すると見られるという仕組み。電話番号知っていたら他人でも閲覧できてしまうようですが、どうせ出走リストなどで公開されるものだし、まあいいのか。チーム監督などが見るには便利です。
写真の画像サイズ
で、700kb で 2.4×3.0cm ってなんやねん。
手元のマシン (Mac) のプレビューというソフトでやってみると2.4×3.0cm/解像度72とするとファイルサイズは5kb。これは68×85ピクセルなので、小さい写真とはいえ粗い写真になってしまうのでは?
この辺のページによると解像度は300dpiを超えても意味ないらしいので、2.4×3.0cm/解像度300とすると283×354ピクセルでサイズは55kb。このぐらいで安心?
700kbというサイズはよっぽど変なことしなければ超えないですな。
シクロクロスな視点
国内ライセンス(写真付き)で UCI レースにでられるようになったのは大きいですね。
大きな視点からは、今までは UCI ライセンス取得の1万円がハードルとなって躊躇する選手もいましたが、それがなくなると UCI レースに参加する人数が増えることが予想されます。若干増か大きく増えるかは読めませんが、逆に言うと当然1万円払ってでも出る!というぐらいの熱い気持ちがなければ、あっという間にラップアウトされてオシマイになりますよ、と言っておきましょう(←偉そう)。
ただし海外 UCI に出るのならば1万円の UCI ライセンスが必要です。日本人が出場しそうなところを並べてみると以下。
- 中国 Qiansen Trophy
- アメリカ Vegas クロス
- 世界選手権(JCF ナショナルチーム)
- ↑の前段階の World Cup などのレース
- その他武者修行でのレース
それほど多くはありませんね。
さて、もう1つ。まず C1, C2, CL1, CJ については JCF ライセンス所持が義務付けられていますが、
シクロクロスのシーズン:おおよそ9月〜翌年3月
JCF ライセンス有効期限:1/1〜12/31
と、シーズンが年をまたいでます。なので12月以前に C1 に所属する選手であれば翌年のライセンスも必要となります。シクロクロス的には年度単位になっている方が都合が良かったのですが、ロード+MTB の方が断然競技人口が多いので敵いませんね。そもそも UCI ライセンスが 1/1-12/31 ですし(競技規則1.1.008)。
まあ、ライセンス義務カテゴリーの選手なら来シーズンは出ない、ということは少ないでしょう。細かいこと言わずにライセンス取りましょう(というか取らないと出られません。)
まとめ
最近になって「やっとライセンス届いたぜ。」というコメントが聞こえてきました。見切り発車という批判もありましたが、新しい仕組みの始まりなんてこんなもんでしょう。長い目で見ると大きな改善だと評価できると思います。JCF には引き続き頑張って欲しいですね。
ちなみに、われらが AJOCC ではライセンスという形はなく、AJOCC レースに参加すると自動的に選手登録されるようになっています。ライセンス料もなければライセンスカードの発行もなし。かなりゆるい形での管理となっています。選手としては選手コードさえ抑えておけばいいので手間としては楽。
で、色々考えてみると、そもそも JCF 登録=競技者登録って何様?という疑問があります。
JCF は AJOCC とは別団体のはず。俺はシクロクロス走りたいだけなんだけど、ナゼ JCF のライセンスをお金払って取得しなければいけないの?競技者登録する意味は?JCF って何やってるんだっけ?
スケールの大きな話なので長くなりそうですが次回乞うご期待〜、ということで。