月別アーカイブ: 2016年12月

2015-16の地域ごと参加者数

前回は「より細かく」と書きましたが少し視点を変えて、各地域の参加者数を見てみましょう。関西で1,000人に迫る参加者数が!というニュースを見たりしますが、他の地域も含めてどうなんでしょうね、ということで。

今シーズンはまだ途中なので、2015-16 シーズンが元ネタ。2日開催の大会については2大会としてカウントしています(お台場、野辺山など)。DNS 含む。

2015-16 地域ごと参加人数/地域名のあとの ( ) の数字は開催レース数(全日本含む)

やはり関西がとびぬけて1位。もうすぐ1万人に届くかという参加者数は流石の一言です…

続いて2位は東海。関東・関西の両エリアから遠征しやすいという立地が強みの1つ。日本版コクサイデとも言うべき砂地獄のワイルドネイチャープラザのコースも魅力的ですね。

3位は信州。強豪選手を多く排出し、コースも一筋縄では行かないようなテクニカルなものが多いという印象。遠征も比較的しやすいかな。

もちろん大会数が多ければ多いほど合計人数は多くなっていきますが、今度は1大会の平均参加人数を見てみましょう。こちらの値の方が、地域ごとの集客力を正しく表しているでしょう。

2015-16 地域ごと参加人数の平均/地域名のあとの ( ) の数字は開催レース数(全日本含む)

やはりというか、1位は関西。13レースも開催して、さらに平均で700人。

この関西の数字を見ると、小中学生カテゴリーの参加者は増やせると思いますが、タイムスケジュールなどの関係上、1大会では800〜900人ぐらいが限界でしょうかね。

2位東海。3位には関西クロスのメンバーが運営に関わっている四国。うどんに釣られて?

意外とシクロクロス東京の人数が低いように見えますが、これは幕張・お台場ともに 2days 開催になっていたため。純粋に今の316.5人を2倍すると633.0人となり、実は2位相当。

東北クロスは首都圏から遠いという地理的なネックのため、中国クロスは近くに関西というビッグシリーズがあったりで、1レースあたりの人数は少なめになっています。

しかし人数が少ない大会の方が知り合いが増えやすかったりもします。アットホームというか、人数が少ない分だけ距離感が近くなるからでしょうか。関東の人間だったので、東北 CX Project の大会にはしょっちゅう遠征していましたが、雪の菅生や競輪のバンクを取り入れたコース(*1)、猪苗代湖などの独特なコースと菅田オーガナイザのレイアウトもあり、選手としての経験値をかせぐ場としても、純粋にオフロードとしても非常に楽しかったです。オススメ。

平均の参加者数は360人。C1,2,3+4,CM,CL1,とその他2レース分やるとすると、1レースはおおよそ50人程度のようです。

さて、今回は地域ごとの参加人数という面から見てみました。

やはり関西が大きな人数を動かしているのが明らかになったのと、東海が(個人的には意外に)いい規模になってきているなというのが印象でした。地理的な問題もあるかもしれませんが、他の開催地でもまだまだ参加人数は増やせそうですね(*2)。

*1: 大和町のベロドロームだったか。参加した2度とも雪のレースでした。今は競輪バンクの面を張り替えたとかで、シクロレースはやっていないはず。いつかまた再開して欲しいレースの1つですね。

*2: 運営できるかは別。関西の運営体制はなかなか真似出来ない気もします。

AJOCC な大会数の推移

大会が多すぎてどのレースに出るか迷ってしまう… そんなボヤキも聞こえてくるぐらいレースが増えているという感がありますが、実際のところはどんなもんなんでしょうか。

今回は各地域のレース数とその推移を見てみましょう。元ネタは AJOCC ホームページのカレンダーより(*1)。2014-15 のデータはちょっと古いものを引っ張ってきて(だいたいあってるはず)。もう少し前のデータがあればより増えた感が実感できるグラフになりそうですが。

備考
+ 2日に分かれる大会はそれぞれ別としてカウント
+ 全日本、JCX 選手権などは開催地域へ算入(13-14:?, 14-15:東北, 15-16:信州, 16-17:宇都宮)

まずはシーズンごとの総大会数。

大会数推移

13-14シーズンから見ると20レース近く増えていますね。ちなみに13-14はお台場でのシクロクロス東京が第3回目、野辺山なら第4回を迎えたシーズン。大きな大会が定着というフェイズを迎えたころ、ってところでしょうか。

意外にも15-16と16-17ではほぼ横ばい。

次に地域ごとの推移を見てみましょう。

地域ごと大会数推移

途中から AJOCC に加入した地域は以下の通り
+ 14-15〜 千葉, 湘南
+ 15-16〜 宇都宮, 東海
+ 16-17〜 北海道, 前橋

関西は流石の2ケタ。ただし14-15シーズン(オレンジ)は2day開催があったので実質13大会でしょう。16-17シーズンは11戦が10戦になったりで-2。中国クロスのレース減少理由は不明。

「関東」となっているのは秩父と茨城ですが、秩父は15-16が最後で、16-17からは茨城シクロクロスのみで5戦を開催しています。

常連(?)の東北、信州、関西などは安定してレース数をこなしていますが、開催レース数は増えてはいないようです。特に東北や信州などは雪の関係でレースをこれ以上増やすのは難しそう。関西はもう日程限界値までレースをやっている感あり(2月頑張ればもっと行ける)。

やはり途中加入地域の大会数が増加分とカウントできます。青森や九州などでもローカルなレースはあるようですし、これからも増えていきそうな気配もあり。逆に、1地方のシリーズとして考えると、他地域のレースとの絡みもあったりで1シーズンあたり5〜10大会ぐらいが妥当になるのかなと思ったりします。

次回はもう少し細かく見てみましょうかね。

*1: シーズンごとで掲載の仕方が少し変わっているような気もしますが、誤差ということで。

走行%と順位%

さて、今回は AJOCC レースでリザルトに記載されている2つの特殊な数値、「走行%」と「順位%」について見てみましょう。国内の非 AJOCC レースや外国のレースでは用いられていない、独自の数値です。

走行パーセント

こちらの数値はこのごろは AJOCC のリザルトにもあまり掲載していないようです。昇格や残留には影響しません。計算方法は以下の通り。

走行%=トップタイム(1/10秒単位) ÷ ゴールタイム(1/10秒単位)x100
※ 1%未満は四捨五入
※トップと同一周回である場合のみ有効な数値となる

たとえば、トップのタイムが60:12.223で、自分が同じ周回数走ってタイムが61:23.660ならば

  • 1/10 秒単位に切り捨てて 60:12.2 と 61:23.6
  • (60×60+12.2) ÷ (60×61+23.6) x 100 = 98.061678792
  • 1%未満を四捨五入して 98%

となります。もちろんトップの選手の走行%は100となります。

値自体の意味合いとしては、「トップとどれだけ差があるか」がわかる数値と言えるでしょう。後述の順位%と違ってレースの人数ではなく、タイム的な絶対値の比較になりますので、どれだけの力量(脚、とも言う)の差があるかをより明確にあらわしているのかなと思います。昇格や表彰台を目指している選手は注目してみましょう。同一周回走れないと意味ないですケド。

とは言うものの、やはり昇格・残留には影響しないのであまり注目はされない数値ですね。

>>>追記
twitter にて @daisukeyano より情報いただきました。少し前までは走行%が残留基準になっていて、しかもその獲得基準が90%!へ〜。結構厳しい基準だったようですね。ただ考えてみると、出走人数などに左右されないため、実は順位%よりも良い基準なのかも。
<<<追記

順位パーセント

というわけで、こちらが本題。計算方法は以下の通り。

順位% = 順位 / 出走人数 x 100
※ 小数点は切り捨て

よって順位%は小数点以下の無い整数値です。

出走人数が52人で、23位ならば

  • 23 ÷ 52 x 100 = 44.23076923
  • 小数点切り捨てて 44%

となります。レース全体で見た時にどれぐらいの位置にいるか、というのが順位と違ってレース人数の大小に関わらずわかる、という面があります。シーズン中の推移など見てみるとコンディショニングに使えるかもしれませんね。

で、この順位%は AJOCC のルールにおいて「カテゴリー残留に影響する」というのが大きなポイント。該当するカテゴリーは C1, C2, C3, C4 のエリートカテゴリーと CM1, CM2, CM3 のマスターズ。残留のためのルールとして以下のようなものがあります*1。

以下の残留基準を満たさない者はシーズン終了後に降格となる。
・出走人数を基準にして1/4(25%)以内の順位 1回以上の実績を残した者
・出走人数を基準にして2/3(66%)以内の順位 3回以上の実績を残した者
なお、CL1からの降格は今期については行わないこととする。

http://www.cyclocross.jp/about/ajocc.html#rule
「カテゴリーについて その3 昇格・降格」「⑤ 残留基準について」より抜粋

ここで書いてある25%と66%が順位%のこと*2。

50人のレースならば12位(=24%)以内を取れば一発で残留決定。33位(=66%)以内ならば残留のためのチケット1枚ゲット、ということになります。

とくにC1とC2ではシーズン終盤になると残留チケット獲得あと何枚必要だ〜、といったことで遠征プランを考える選手も多いみたいですね。C1 への昇格条件も厳しくなりましたし、きちっとリザルトを取っていきましょう!

以上、走行%と順位%でした。

*1: ちなみに AJOCC のルールページには明記されていないが、シーズン中に昇格した選手はシーズン終了後の降格対象とならない。

*2: 小数点切り捨てを考えると「1/x以内の順位」という表現は厳密には正しくない?と思ったりするが、そういうもんらしい。