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17-18 UCI カレンダー

UCI 世界戦で盛り上がっていましたが、ひっそりと 2017-18 シーズンの UCI レースカレンダーが発表されています。

http://www.uci.ch/cyclo-cross/calendar/
(上部のバーにある「Season▼」で 2018 を選択すべし。)

日本国内

まずは JPN から見ていきましょう。17-18の UCI 指定のレースは8つ。UCI レースは3つ増えました。*付きが新しく UCI になったレース。

  • 10/9 * 茨城シクロクロス取手ラウンド
  • 10/17 東北 CX Project 寒河江ラウンド
  • 11/4 * Starlight-cross(幕張)
  • 11/17 関西シクロクロスマキノラウンド
  • 11/25 Rapha Supercross 野辺山-Day1
  • 11/26 Rapha Supercross 野辺山-Day2
  • 12/3 * 宇都宮シクロクロスシリーズ
  • 12/9-10 全日本選手権(長野南牧村)

UCI ポイントが稼げるレースが8つも国内にあるなんて、いい時代になったもんだ。宇都宮はろまんちっく村だったはず。増えたレースはいずれも関東圏。

ちなみに全て Category-2 の UCI レースなので、10位に入らないとポイントはもらえません。それでもポイントをより多く積み重ねれば、ヨーロッパ行ったときでもポイントのお陰でスタートで前の方に並べます。特に C1 選手は頑張りましょう!

おとなり中国

海外遠征で、といっても本場ヨーロッパは遠い。しかし近年はお隣さんの中国でも UCI レースが開かれています。日本選手も選手団を組んで出場していますね。CHN で調べてみると3レース。

  • 9/3 “Qiansen trophy” Fengtai Changxindian(北京市中央部)
  • 9/6 “Qiansen trophy” Yanqing(北京市北西部)
  • 9/10 “Qiansen trophy” Luoyang WanAnShan(河南省西部/中国中央少し東寄り部)

Qiansen(キアンサン)は中国の体育施設の業者だとか。Qiansen trophy は日本語なら「鈴木杯」って感じ?

随分頑張って開催していますね。残暑の時期なのがキツイですが、立派なセレモニーがあったり、空港までバスでのお迎え付きだったりと結構至れり尽くせりなレース。

そして驚くことに、3つのレースともに Category-1 クラスの UCI レースになっています。Category-2 と比較すると開催側の要件が厳しくなりますが、獲得できる UCI ポイントもアップ。もちろんそれを狙って強い選手が来てしまうので UCI ポイントゲットはどのみちイバラの道なのですが…

データ編

では UCI カレンダー全体でデータをまとめてみましょう。まずは月ごとのレース開催数から。ちなみに1月末の世界選手権についてはカレンダーに掲載がありませんでした(2017.2.1時点)。

2017-18 UCI レース開催数(月ごと)

「その他」に分類されているのはナショナル選手権に割り当てられる CN(Category National?) と大陸選手権 CC(Category Continental?) の2つ。Category-1 レースは45、Category-2 レースは88。CC なレースは Pan-american大陸チャンピオンシップとヨーロッパ選手権の2つ。

1月末に世界戦があるので、それに向けて盛り上がっていくかと思いきや、10月の開催が最多。1月は世界戦の週には UCI レース設定しないので、数としては少なめ。2月は残り火の感。

シーズン全体としてはワールドカップやらプレスティージュやら UCI レースこなしていって、ナショナル選手権やって→世界戦できれいにストンと終わるというきれいな形。日本では全日本選手権は早くて12月の第2週ぐらいにやるので、そこが山場のようになってしまっていて、以降の盛り上がりが今ひとつな感があります。どうせ暇だし正月過ぎにでも全日本やれば?

サマークロスかよ!とツッコミたくなるのが8月の3レース。ですが、実はこの3レースはいずれもオーストラリアのもの。南半球の8月は6ヶ月引けば北半球の2月に相当、ってことでシクロクロスには悪くない時期。しかし南半球の選手はコンディショニングが大変だ(ほとんど見たこと無いけど)。

次は国ごとにまとめてみましょう。

2017-18 UCI レース開催数(開催数)

UCI を開催しているのは上のグラフの20カ国のみ。何故かベルギーなどはナショナル選手権の UCI 設定がなかったりします。

まず目を引くのがベルギーとアメリカ。アメリカの方がレース多いじゃないか!でも UCI Category-1 レースの開催数ではベルギーが圧倒的。流石です。

いろいろ発見があって面白いですね。箇条書きでどうぞ。

  • オランダは少なめの7レース。イメージと違うなあ。
  • 逆にスペインが意外と多めの8レース。イメージ無いなあ(苦笑)。(*1)
  • ドイツ少なすぎ(1レース)。強い選手居たのに。
  • 意外とイギリスでも開催されている(7レース)
  • フランスでもちゃんと開催されている(7レース/ Category-1 が4レース)。
  • スイス(11)、チェコ(10)はイメージ通り。

で、改めてグラフを平たく見てみると、日本の UCI レース開催数8というのは実は5位タイなのです!Category-1 のレースが無いのでちょっと格好がつかないですが、世界のいろいろな場所の Cyclocross 関係者が日本に注目している、というのにも頷けますね(*2)。

本場ヨーロッパから見れば日本は中国とともに極東の孤島なわけですが、強い選手がモチベーションをもって集まるようなレースが増えていけば自ずとレベルも上がっていくでしょう。もちろん、大きな手間をかけて UCI レースを開催してくれるオーガナイザへの感謝も忘れずに。

ただ、1つ前の記事にも書きましたが、UCI レース開催数ではトップのアメリカですが、Elite Men の16-17の成績はいまひとつ。コースがワヤだったというのもあるかもしれませんが、やはりヨーロッパのレベルには劣っているのかな、という印象。

井の中の蛙になるリスクは日本も同じです。もちろん UCI ポイントがまともにあって、まともな位置からレースがスタートできるのは良いことですが、実際に本番(要するに世界戦)で戦い、成績を出すには「選手が強い」というのが絶対条件です。UCI レースを増やすだけではなく、それによっていかに選手のレベルアップをしていくかが今後の課題となるでしょう。

以上、UCI レース数からシクロクロスの世界情勢(?)と日本を考えてみました。

*1:(追記)これを書いた時点ではスペイン?と思ってましたが、男子 Under23 で Felipe ORTS LLORET が2位。ダークホース的な扱いだったけど。
*2: お台場とか結構有名らしい。