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2016-17 AJOCC ルールについて

さて、中国での UCI レースに日本人選手も出発したりと、2016-17 シーズンの足音も聞こえてきました。そろそろ自転車(と脚)の準備ですヨ。

シーズン前に AJOCC のルールが変更された箇所を確認しておきましょう!プラス考察。元ネタは http://www.cyclocross.jp/about/ajocc.html#rule より。

JCX 同一周回での完走ボーナスを 20pt → 10pt

C1, CL1 のほぼナショナルランキングである JCX シリーズのポイントについての変更です。AJOCC 側からは「昨シーズンの結果から、順位による配点に対する割合が大きすぎたと判断したため。」と理由が説明されています。

2opt ってどのくらい?ポイントテーブルを見ると、一般レースでの40位に相当することがわかります。

例で考えてみましょう。Aさんがある JCXレースで、ラップされたけど38位で 22pt を獲得しました。次に他のレースでBさんが60位、先頭選手と同一周回ゴールでした。Bさんの獲得ポイントは5pt+ボーナス20pt。

Aさん22pt、Bさん25pt。ランキング的にはBさんが上になりますが、順位で見るとAさんの方が確実に強そうです。ボーナスが10pt ならばBさんのポイントは15ptになり、ボーナスの影響は少なそうな感じです。

順位をとってなんぼやで!な方向への変更、ですかね。

昇格の基準となる人数は完走人数 → 出走人数

このルールについては過去には地域ごとで認識が異なっていたようで、出走人数基準で昇格者が決まったりということもあったような気がします。今回のアナウンスで改めて出走人数が基準人数となります。

例えば C2 のレースで、10人出走 → 9人完走とします。基準人数は10なので、1名が昇格。2015-16 シーズン以前ならば基準人数は9となるので昇格者無し、となるわけです。

レース全体として見ると、昇格基準の数が増えるので昇格者も増えるかもしれません。効果は限定的だと思いますが。

選手にとってはスタートに並んだ時点で「何位でゴールすれば良いのか」という目標が立てやすくなりますね。完走人数基準だとレースが終わるまでわからないので、努力が水の泡、ということもなくなるでしょう。

C1, CM1 への昇格人数は1名のみ

これが本日の本題。

2015-16 以前の基準(*1)では C2 レースからの C1 への昇格は

  • 出走人数10人以上 → 昇格1人
  • 出走人数20人以上 → 昇格2人
  • 出走人数50人以上→昇格3人

CM2 もしくは CM2+3 レースからの CM1 への昇格は

  • 出走人数10人以上 → 昇格1人
  • 出走人数50人以上→昇格2人

となっていました。

ひどい時には C1 へ3名昇格、ということもありえたようです。しかし、実は C1 に所属する人数というのは極度に肥大化しています。人数の推移は以下のとおり(*2)。

15-16 シーズン開始時: 225人
15-16シーズン終了時: 319人(残留処理前)
16-17 シーズン開始時: 253人

12月の全日本の時に300人近い人数が C1 に居たってことで、これはちょっとトップカテゴリーとしてはさすがに人数が多すぎる。全日本では JCX ポイントでの参加制限が課されるようですが、その他の一般レースで100人超えのエントリーがあったらテンヤワンヤ確実です。トップカテゴリーとしてあるまじきアルマジロ。

また、C2 の16-17開始時人数は261人で、C1 より少ないという力のピラミッド的にはちょっとマズイ状況です。なので、C1 の人数を絞るためにも人数ピラミッドを適正化するためにも、C1 への昇格を制限しましょう、となるのは自然な流れといえます。

ちなみに残留条件については変更はありませんが、16-17の状況しだいでは厳しくなるかも?

選手から見ると、C1 はさらに狭き門になってしまいましたが、その分トップカテゴリーのありがたみというか重みは増したでしょう。C2 もかなり熾烈なレースが行われているとも聞きます。そこで勝った奴が1番偉いというのはわかりやすいし、トップカテゴリーへの切符を与えるには正しい基準だろうと思います。

CM1 への昇格については同上。ただし CM1 を単独カテゴリーレースとして開催しているのはほぼ関西シリーズのみで、それ以外の地域の選手ではあまり意識することは無いかもしれませんね。

以上、2016-17 シーズンのルールについてでした!Category2 の選手は頑張りましょう!

*1: 実際には基準人数は完走人数だったが、16-17 に準拠して書いた。

*2: カテゴリーごとの人数については手元計算なので誤差ありです。

選手コード

前回と関連して、AJOCC の選手コードのことを書いてみましょう。

選手コードは、たとえば KNS-156-0023 といったアルファベットと数字が組み合わさったもので、各選手ごとにユニークなコードが割り振られます。このコードを基準にリザルトやカテゴリーが管理されています。ちなみに全て半角。

2015-16シーズンより前は KNS-0023 という形式でした(*1)。しかしその後シクロクロス人口が一気に増えてきたため、選手コードの形式を変更することになりました。

現在の選手コードは以下の図のような意味を持っています。

racer_code_3

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AJOCC 検索ページの公開

AJOCC のホームページにて選手データの検索ができるようになりました!
http://www.cyclocross.jp/news/2016/08/rider-search.html

検索ページ
http://www.cyclocross.jp/rider_search/

(※前半は基本的な使い方しか書いてません。むしろ後半読むべし。)

これまでは AOJCC のホームページから csv をダウンロードして自分で探して,,, というちょっと手間な状態でしたが、今回のはキーワード1発で探せるのでかなり楽になりましたね。

racer_search

「山川」で検索してみた

間違いがある場合や、選手コードが2つになってしまった場合には info@cyclocross.jp にて問い合わせてみましょう。小さな間違い(都道府県とか)は放っておいてもよいかな?オーガナイザーにはレース運営に忙しいですからね。

ちなみに複数キーワードで検索する場合には「ヤマカワ リョウ」のように、スペースで区切ります。半角スペースのみならず「ヤマカワ リョウ」のように、全角スペースでも OK。

ちなみに「いずれかを含む (OR)」にチェックを入れて検索すると、「ヤマカワを含む結果」と「リョウを含む結果」が併せて表示されます。AND だと両方含む結果。

で、本題は

「自分の選手コードを調べてレースエントリーの時にきちんと入力しましょう」

ということです。

例えばレースエントリーの時に、「山田 太郎」という選手が居たとして、それが北海道の山田太郎選手なのか、東京の山田太郎選手なのか、それとも始めてレースに参加する熊本の山田太郎選手なのか。誕生日で区別できる?もし誕生日まで一緒だったら?

yamada2

オーガナイザーは区別ができません。

その区別のため、AJOCC では1人1人の選手ごとに選手コードが割り振られています。

この選手コードがあれば、オーガナイザーは「ああ、東京の山田さんね。C2 所属なのに C3 にエントリーしてら」とか判断できるわけなのです。

またリザルトの集計は選手コードごとに行われます。

例えば C2 の山田太郎さんが KNS-156-0012 と CCM-156-0245 の2つの選手コードを持ってしまっていた場合。

あるシーズンで始めのレースは KNS のコードで、残りの2レースでは CCM の選手コードでレースに出場。どのレースでも順位パーセント 66% を達成。これで残留!と思っていたら、 KNS 山田は1回だけ達成。CCM 山田は2回達成、となり、どちらにせよC3 へ降格!となってしまいます。

(ま、そういう場合は事前連絡すればデータの統合もできます。)

で、事後の修正もできるはできますが、オーガナイザーにはレース運営に頑張っています。そのような手間を省くためにも、エントリー時にはきちんと選手コードを入力しましょう。

ちなみに新しく AJOCC レースに参加される選手についてはまだ選手コードを持っていない(検索ページでも見つからない)場合もあります。その場合にはタイムラグでリザルトにただしく反映されない場合もあるかもしれません。各レースのリザルトなどを各自で確認・管理し、間違いがある場合には AJOCC なりオーガナイザーに連絡しましょう。

以上、選手コードは意外と大事なもんなんですよ!というお話でした。

コース(その3/ゴール・横断)

前回スタート区間に引き続き、ゴール区間の規定と観客の横断箇所について。

Finish section

ゴールに関するルールについてはちょっと記述が分散していて、最初に出てくるのは 5.1.008。

  • Finish Line の100m前〜50m先までの区域は柵によって保護する
  • このエリアに入れるのは運営スタッフ、選手、アテンダント、チーム監督、報道関係者のみ

おそらく勝負かかったところで外部の観客などが邪魔にならないように、それからゴール後の流れをスムーズにするという意図かと。

ちなみにスタートには「柵によって保護すべし」という規定はありません。むしろ大集団でスタートする場合のほうが柵は必要になりそうですが…

もう1つの規定は 5.1.021「Finish section」

  • 100m以上の直線であること
  • UCI 世界選手権、ワールドカップでは幅6m以上であること
  • その他の大会では幅4m以上であること
  • 平坦か上り勾配であること
  • 頭上のフィニッシュバナー(FINISH とか書いた横断幕のようなもの)は高さが地上から2.5m、かつゴール区間の全幅をカバーすること。

スタートと比べると比較的簡単ですね。Finish Line 手前から100mの直線区間は先の規定により、柵によって保護されることになります。

Finish section

Finish section

面白いことに、ゴールセクション内に障害物を設けることは 5.1.022 で禁止されていますが、路面についての規定はありません。

と、ということはFinish が泥っどろの路面、担ぎの激坂、BMX のデコボコでも OK! ということですよね?(*1) Finish が担いで丘のてっぺんまで駆け上がるとかちょっと萌えません?

しかし普通は自転車的スプリントで勝負を決めるのが良いでしょうから、大抵はアスファルト、そうでなくとも平坦の硬い土路面や草地でのゴールが一般的です。確かに自転車競技ですので勝敗がランニングで決まっても変な感じですし、何よりガッツポーズが絵にならない(もしくは出来ない)のが致命的か…

*1: ちなみに砂場 (Sand pit) は Obstacles の項にかかれており、障害物として規定されているようなのでおそらく駄目。

Crossing points (横断箇所)

「Cyclocross のコースは周回路 (circuit) にすること」

つまり、コースを横断する箇所がなければコースの内側には誰も入ることができなくなってしまいます。

横断箇所の規定は 5.1.008 に少しだけ。

  • 観客のための横断箇所を4箇所以上設けること
  • 各横断箇所ごとに、2つの一方通行レーンがあること
  • 横断箇所の両側で横断が管理されること(つまり立哨員をたてて、レースに影響しないように観客を横断させること)

2つめは少し謎ですが、おそらく行きと帰りでぶつからにように誘導しなさい、ということだと思われます。コースの真ん中で客が止まってしまったら怖いですからね。

Crossing point

Crossing point

ルールブックには書いていませんが、「横断箇所」などと書いたバナーによってゲートが作られ、横断箇所が示されています。

UCI や大規模な大会を除き、横断箇所が設けられていない大会も多くあります。何よりレース運営上でも立哨員を8人も確保するのは大変ですしね。

そのような場合はそれぞれの判断・裁量でコースを横断することになります。「コーステープの内側は戦闘区域である」という認識を持ち、特にレースがやって来る方向をよく確認してコースの横断を行ないましょう。

以上、ゴールと横断箇所のお話でした。

コース(その2/スタート)

さて、前回の投稿でコース全体について見てみましたが、今回はスタート周りについて見てみましょう。

レース時間中で最も選手密度が高いスタート。スタートの出来がレースに大きく影響する場合もあり、スタートは全力ダッシュすべき時でもあります。

平等さを保ち、レースとしての危険を分散させるためにもスタートに関しては様々なルールが決められています。

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コース(その1)

今回は Cyclocross のコースについてです。

アスファルトから草地へ。シケイン飛んで泥を跳ね上げて。

なんでもアリの障害物競走に見えますが、実際には必要なセクションや禁止されていることもあります。ま、実際のレースでは場所の都合上などで完全にはルールに準拠できてないことも多々あるようですが、その「現場の実際」も交えつつ書いてみようと思います。

今回はコースの全般的な規定について。ちなみに障害物とピットは別記事です。

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レース時間と周回数

Cyclocross のレースは長さが2〜3kmの周回コースで行われますが、レースをよーいドン!した時に「そのコースを何周するか」は決まっていません。

決まっているのは例えば AJOCC Category-1 であれば「おおよそトップの選手が60分ぐらいのレース時間になるように」ということ。UCI 競技規則では以下の様な表現になっています。

The duration of events must as close as possible to:
競技はできるだけ下記に近い時間で終了するようにする:
JCF 競技規則 5.1.048 より

例えば1周が5分かかるのなら、5分×12=60になるので、では周回数は12周にしよう、となります。

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33mm 表記タイヤOKにしますわ!(by JCF)

JCF からクリスマスプレゼント?

JCF のサイトに本日、以下の様な掲載がありました。

シクロクロスにおけるタイヤ幅規定の運用 について
競技大会時に,ゲージ等で実測した結果最大幅が規定の33mmを超えるものであって,33mmの製造者表示を確認できるタイヤについては競技における使用を認めてよいのとする.
(http://jcf.or.jp/?p=47766 より抜粋)

(まだ本ブログがタイヤ幅の話まで行ってないんですけどね〜。)

正式なシクロクロスレースでは当然 Cyclocross 自転車の機材としての規定がありますが、これに「タイヤ幅は33mm以下であること」という規定があります。

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LIVE – World Cup – Namur, Belgium

youtube の UCI 公式チャンネルで12/20に行われた World Cup 第4戦が Live で(← 終わった)見られますヨ!

土くれの路面でラインは1本。そびえ立つ登りと落ちるような下り。コース後半のキャンバーセクションも見どころ。

女子レースはこちら↓